続けて天木さんの「メディア裏読み」第2弾を話題提供させて頂きます。このメールを読むと、私達が知らないところで何が起きているか良くわかります。とにかく視界が広がります。広がりすぎるのも不安を増幅させるだけかもしれませんが、そこは見識ある<新現役の会>メンバーですから、独自に対処される事を望みます。
◇◆ 「観客」の不入りで露呈した小泉国連演説の不人気 ◆◇
大手の新聞やTVなどを見ているだけでは本当のことは決してわからない。そう思って私は週刊誌やその他の雑誌、単行本に極力目を通す事にしているのであるが、週刊スパ―10月5日号―の記事で私は新発見をした。この週刊誌の冒頭には勝谷誠彦のニュースバカ一代というコラムがあって毎週辛口の評論を書いている。いつも面白く読んでいるのであるがこの時の記事には思わず笑ってしまった。
小泉首相の安保理常任理事国入りの演説について、写真を紹介しながら、日本のメデアが鳴り物入りで大騒ぎしていた演説にもかかわらず、驚くほど出席国が少なく人気の無い演説であったことを暴露しているのである。日本のテレビは観客を映さず小泉首相の顔ばかり映していたので我々はまったく気付かなかったのであるが、これは武士の情けなのか。ブッシュ大統領の演説の時は満員だった会議場は、小泉首相の登壇の時は閑散としていたというのだ。
勝谷氏は言う、
「・・・見よ!このガラガラな会議場を。パ・リーグ試合時の大阪ドームといい勝負ではないか。世界の中心で「参入」を叫ぶ小泉首相だったが、どんなに国連分担金を出していようと、ODAを撒いて票集めをしようと、これが日本への関心の表れなのだ。ちなみに日本の常任理事国入りへの支持を明言したのは、演説した90か国中、英国など14カ国だけだった。・・・」
そういえば日本はパラオという国に援助を与えてまでして、演説の順番をブッシュ大統領と同じ初日になるよう替わってもらったという報道があった。そこまでお膳立てをしても人は集まらなかったということか。新聞はちゃんとこういう事を書いてくれなければ困るのである。
◇◆ 大本営発表 ◆◇
同じく週刊誌である。今度は10月2日号の週刊ダイヤモンド。
「写真をよく見ていただきたい。ジャーナリストの綿井健陽氏が撮ったイラク・サマワ、陸上自衛隊宿営地内での記者会見風景である。テーブルの上にセットされているのはテレビ電話で、接続先は東京・市ヶ谷の防衛庁記者クラブである。」
こういう文章で始まる「オブザベーション」と題する論評において、日本で報道されるサマワの記事は、すべて東京の防衛庁が提供する情報に基づいて日本で書かれている大本営発表であることを暴露している。
人質事件が発生した四月以降、サマワには日本人記者は一人もいない。すべてのメディアが撤退させられたのである。つまりサマワの記事はテレビ電話で防衛庁の記者クラブに送られてくる自衛隊情報に基づいて、日本で書かれているのである。各紙を読むと、「59度の酷暑、ドライヤーのような熱風だ」「突如どよめきが起きた」「自衛隊は高い支持を得ている」と見てきたような書きっぷりとなっている。読者はサマワ発の記事と信じて疑わない。掲載写真には小さく自衛隊撮影とある。これはインチキだ。大本営発表だ。
かつてどこかの記事で読んだが、現地の自衛隊は、まだ邦人記者が多数いたとき、産経、読売といった体制側の新聞社の記者には輸送や弁当の便宜を与えるのに、朝日や毎日の記者には冷たかったという。もしこれが事実であるとすれば税金の恣意的な支出に繋がる由々しい問題であるが、いずれにしてもサマワ関係の日本の報道はもはや信用できないということである。
イラク戦争の大義だった大量破壊兵器はなかったと認めたパウエル国務長官の証言を受けて、米有力紙はこぞって何故我々が政府情報に流されたのかと自らの失態を恥じて自己検証の記事を掲載した。これに比べ日本の新聞の認識はあまりにも希薄である。事実を伝える為にあらゆる努力を払い、監視するという本来のジャーナリズムの使命を、日本の新聞は持ち合わせていないのかと批判されても仕方がないのであろう。
当初あれだけ騒いだ自衛隊のサマワの活動も最近はまったく伝えられる事はなくなった。サマワでねぶた祭りを行っているなどというニュースくらいだ。危険が高まるなかで、十分な活動がなされているのか、我々にはまったく知らされないまま、小泉首相はまたニューヨークでアラウィ首相に向かって「今後とも自衛隊の復興支援活動を、全力をあげて努力する」と話している。
これを受けて細田官房長官は9月21日の記者会見で「イラクでの自衛隊活動を継続する」と述べた。イラクへの自衛隊派遣の期限切れである12月までまだ三ヶ月もあるというのにである。多くの国が撤退を始め、米国でさえも27日付のニューヨークタイムズによればイラク駐留期間の縮小を検討しているというのにである。現行の派遣期限が来る12月までには米国の大統領選挙やイラク情勢の更なる悪化など多くの不安定要因があるのにである。
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