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清成啓次氏の最新情報

2.Skypeビジネスモデル(05/3/21)
第二回は「Skypeビジネスモデル」についての話題です。

 Skypeの素晴らしさは「新・現役の会」の方々も体験されていると思いますが、先日、SkypeOutの利用者が全世界で100万人を突破したことをSkype社が発表しました。
http://www.skype.com/company/news/2005/1m_skypeout.html

 SkypeOutは2004年6月15日の「Skype for Windows Beta 0.98.0.28」から開始されたSkype社の有料サービスですが、これほどの低料金ではSkype社もこのサービスで大もうけというわけにはいかないと思います。
国際電話料金比較
 (日本から海外へ1分あたりの目安---2005年1月現在、単位/円)
アメリカ 中国 オーストラリア
Skype(PC対PC電話) 0 0 0
SkypeOut(IP電話) 2.3 2.9 2.3
YahooBB(IP電話) 2.5 32 23
OCN(IP電話) 9 30 20
NTTコム(固定電話) 60 140 150
KDDI(固定電話) 60 160 210
日本テレコム(固定電話) 60 170 210
NTTドコモ携帯電話(WorldCall) 108 144 180
AU携帯電話(GlobalPassport) 180 180 180
 実際、私が2004年7月に買ったSkypeOutは25ユーロ(当時は25ユーロ、50ユーロもメニューにあった)で、これでかなり中国やアメリカに電話したのですが8ヶ月以上経過した05年3月20日の今日に至ってもまだ10ユーロも残っているからです。(その間、Skype社からの5ユーロをプレゼントしてもらいましたが)普通の国際電話なら25ユーロ(3300円程度)など30分も話せば消えてしまうのですがSkypeOutだと25時間ぶっつづけで話し続けても消費できないわけですから、これでSkype社が儲かるとはとても思えません。実際にSkypeOutサービスの費用内訳の大半はCOLTやiBASIS、TELEGLOBEなどのインターネットIP電話会社への支払いでしょうし...

 という事情もあって、Skype社は今月に入り、新たに二つの有料サービスを開始しました。
<一つはSkype VoiceMail...>
 つまりSkype留守番電話です。使い方はこれまでの電話や携帯電話の留守電と同じですが、Skypeはソフトフォンという特性を生かし、”Skype利用者のPCの電源が入っていなくても、また、Skype利用者がどんな場所に居ても録音メッセージを聞くことができる新しいタイプの留守番電話”という機能を実現しているのです。電話や携帯電話のように単体の電話機にディペンドした留守電ではなく、Skypeを起動しさえすればPCでも将来的にはSkype搭載携帯電話などどんなSkypeからでも聞くことができる留守電機能なのです。留守電メッセージも自分で録音することもできますし、実際に使うととても便利です。まだ正式版としてはダウンロードできませんが、ベータ版として提供されています。↓
http://www.skype.com/products/skype/windows/?autoload=true  (※ベータ版とは

<もう一つは暫定的ながらSkype社独自のSkypeIn機能...>
 つまり、Skype固定電話付加サービスがスタートしたことです。これにより、普通の電話や携帯電話からPCのSkypeに電話がかけられるようになります。国や地域ごとの電話番号を各ユーザーごとにSkype社が付与しますが利用料は1年間30ユーロ、3カ月10ユーロです。ただし、スタート時に配布される電話番号はアメリカ、イギリス、フランス、香港などの電話番号で、日本の050などはまだサービスされません。私もアメリカのSkype電話番号を買おうかとも思ったのですがわざわざ日本の友人が私のアメリカの電話番号に電話してくれるとも思えないのでまだ買っていません。

 というようなわけで以上で基本的には電話代無料のSkypeに3つの有料サービスが付加されることになりました。現在、Skypeの全世界での利用者は3月始めで約2900万人ですから、3月20日の今日時点では3000万人を突破した可能性もあります。この中で仮に10%の利用者が有料サービスを使えば従業員が少なく、P2P方式ビジネスモデルのSkypeはたちまち超高収益会社に変身することになります。”無料の優れたサービスで全世界的に利用者を増やし、一部の有料サービスで利益を確保する。”というビジネスモデルはYahoo!やGoogleのように広告サービス主体では実証されてきましたが、Skypeの場合は実利用料金収入が入るわけですからまったく新しいビジネスモデルということになるでしょう。すごいものです。

Skypeで楽しいコミュニケーションを!


1.MotoloraとSkypeが包括提携(05/2/28)
第一回は「MotoloraとSkypeの提携」という話題です。

 Skypeをまだ使っていない方には意味不明なテーマだと思いますが、これは今後の電話/携帯電話業界のビジネスモデルを根底から変えるモデルになる可能性がありますので、頭の片隅に入れておくと数年後にはその影響を見ることができると思います。

 Motoloraは世界初の携帯電話を実用化したメーカであり、地球携帯電話という発想を最初に発表し、イリジウム計画の母体にもなった企業体です。結果的にはイリジウムは失敗し、世界の携帯電話市場においてもNOKIAやSAMSUNGに抜かれ、現在第3位のポジションとなっていますが今回のSkypeとの提携から察するに”Motoloraはまだ地球携帯電話の実現を諦めていない”と私は感じています。

 イリジウムは66個の低軌道衛星を打ち上げ、世界中どこでも携帯電話が使えるように約50億ドルもの設備開発投資をおこなった結果、料金が高すぎて世界中で5万人程度しか顧客を獲得できなかったという皮肉なオチの巨大プロジェクトでした。

 しかし、今回のSkypeとの提携でMotoloraは再び地球携帯電話の夢を実現できる可能性が出てきました。しかも今回の設備開発投資は約500億ドルという巨額ではなく、Skypeとの契約が書かれた紙切れ1枚の費用だけです。

 今回の”地球携帯電話”の最大のキーポイントは”実現するための手段が高額な衛星ではなく、その辺のお店で売っている数千円の無線LANだ”ということです。詳しくは「Skype goes mobile with Motorola」という記事を参照してください。
http://www.skype.com/company/news/2005/motorola.html

 今後のMotolora製携帯電話の多くはGSMやW-CDMAのほかに無線LANが標準搭載され、そこにMotolora携帯用に最適化されたSkypeが搭載されるわけです。これによって無線LANモードでは電話代は無料になります。

 実際、これはすでに世界各国で発売されているWindowsMobile携帯などで実現されているので驚くに値しないのですが、今度のSkypeとMotoloraとの提携は海外の約20億台近いGSM/CDMA携帯電話のベースであるSIMビジネスそのものにも影響を与える大変な出来事だと感じています。WindowsMobile携帯については以下のURLを参照してください。
http://www.microsoft.com/windowsmobile/smartphone/default.mspx

 WindowsMobile携帯とはMicrosoftとIntelが策定した携帯電話用ベースシステムで作られた携帯電話で、世界中の携帯電話会社が忌み嫌っている仕様です。嫌う理由はいくつかありますが代弁してみましょう。(笑)
1.携帯電話が誰でも作れてしまうのでパソコン並みの価格下落に陥る。
2.インターネットと同じになるので携帯コンテンツ市場が消失してしまう。
3.パソコンとActiveSyncできるのでパケット料金は無料になってしまう。
4.通信速度は54Mbpsもスピードが出てしまい、3Gも4Gも無価値になる。
5.そこにSkypeを載せられたら電話料金を取れなくなってしまう。
6.結局、MicrosoftとIntelに会社を無価値化されてしまう。
 実際に私のMio8380という旧式のWindowsMobile携帯は起動に1分もかかったり、ハングアップしたりと決して良くはないのですが、それでも私が今後も買いたい携帯電話はWindowsMobile携帯しかあり得ません。日本で実際に使えることは未来永劫ありえないかも知れませんが、とりあえず海外のものを輸入すれば無線LANモードでSkypeで無料電話はできるはずですので。

さて長くなるので今日のまとめに入ります。

 つまり、Skypeが携帯電話に搭載されることで、これまでの携帯電話における国別キャリアという概念が吹っ飛び、IPの上にオーバレイした地球無料携帯電話という概念が生まれることです。これは今の国単位でのSIMビジネスモデルを持つ携帯キャリアにとっては悪夢でしょう。しかし、Motoloraはやってしまいました。携帯キャリアより顧客を優先させたのです。非常に正しい判断だと思います。

 無線LANは今はまだGPRSやCDMAから見るとメダカのような存在ですし、ハンドーバーやQoSなどの問題もありますが、Long版Wi-FiやWiMAX-2006あたりが実際に出てくると、ほんとにSkypeで地球無料携帯電話が技術的には実現できてしまうでしょう。それを世界各国政府、各国電話キャリアが容認するとは思えませんが、今後の攻防は非常に興味を覚えます。

Skypeで楽しいコミュニケーションを!











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